資格取得を目指す講座でも、教育訓練給付の対象になるものがあります。ただし、資格の種類だけで決まるのではなく、厚生労働大臣の「指定講座」であることが条件です。同じ資格の講座でも、学校やコースによって対象・対象外が分かれるため、申し込む前に講座名と指定番号を確認してください。
教育訓練給付の対象になりやすい資格講座
対象講座には、専門職の養成課程、業務に役立つ資格試験の対策講座、IT・語学などの職業能力を高める講座があります。代表的な例は次のとおりです。
- 看護師、准看護師、保健師、助産師などの養成課程
- 介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士などの福祉系資格講座
- 保育士の養成課程や試験対策講座
- 調理師、理容師、美容師、歯科衛生士などの専門資格講座
- 公認会計士、税理士、社会保険労務士、行政書士などの試験対策講座
- 宅地建物取引士、ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格講座
- 情報処理技術者、IT技術、プログラミングなどの講座
- 簿記、語学、介護職員研修など、仕事に関係する能力を身につける講座
ただし、上記の資格に関する講座がすべて対象になるわけではありません。通信講座、通学講座、専門学校の課程など、講座単位で厚生労働大臣の指定を受けているかを確認する必要があります。
教育訓練給付の対象講座は3種類
教育訓練給付の対象講座は、給付の目的や講座の内容に応じて、主に「専門実践教育訓練」「特定一般教育訓練」「一般教育訓練」に分かれます。
| 種類 | 主な対象 | 資格講座の例 | 給付の特徴 |
|---|---|---|---|
| 専門実践教育訓練 | 中長期的なキャリア形成につながる専門的な課程 | 看護師、介護福祉士、保育士、IT専門職などの養成課程 | 受講中の費用を対象にする給付。条件を満たすと追加の給付がある場合もあります。 |
| 特定一般教育訓練 | 速やかな再就職や早期のキャリア形成に役立つ講座 | 一部の専門資格・職業資格の講座など | 一般教育訓練より高い給付率が設定される講座があります。 |
| 一般教育訓練 | 職業に必要な知識や技能を身につける講座 | 簿記、語学、IT、宅地建物取引士などの講座 | 受講費用の一部が支給されます。 |
同じ資格を目指す講座でも、指定区分によって給付率や受講前に必要な手続きが異なります。特に専門実践教育訓練と特定一般教育訓練は、受講前にキャリアコンサルティングやハローワークでの手続きが必要になることがあるため、受講を決めてからでは間に合わない場合があります。
資格名ではなく「指定講座」かどうかで判断する
教育訓練給付の対象かどうかは、次の順番で確認します。
- 受講したい学校や通信講座の公式案内で、教育訓練給付の対象講座かを確認する。
- 講座名、教育訓練の種類、指定番号、指定期間を確認する。
- 厚生労働省の「教育訓練講座検索システム」で、講座名や資格名を検索する。
- 自分が雇用保険の加入期間などの支給要件を満たすか、受講前にハローワークで確認する。
- 必要な事前手続きを済ませてから、講座の申し込みと受講を始める。
講座の広告に「教育訓練給付が使える」と書かれていても、対象になるのは指定を受けたコースだけです。学校名や資格名が一致しているだけでは判断せず、講座の正式名称と指定区分まで照合してください。
給付金はいくら受け取れる?
給付額は、講座の種類と受講者の条件によって異なります。一般教育訓練は受講費用の一部、特定一般教育訓練と専門実践教育訓練は、一定の条件を満たす場合により高い割合が支給される仕組みです。
ただし、入学金や教材費、資格試験の受験料などがすべて給付の対象になるとは限りません。対象となる費用、上限額、支給時期は講座の種類や制度の適用時期によって異なるため、受講料の総額から単純に計算しないでください。
また、受講費用が対象でも、雇用保険の加入期間、離職からの期間、過去に教育訓練給付を利用した時期などによって、支給の可否が変わります。講座が指定講座であることと、自分が給付を受けられることは別に確認が必要です。
対象講座でも給付を受けられないことがある条件
次のような場合は、講座が指定されていても給付を受けられない可能性があります。
- 受講開始日時点で、雇用保険の加入期間などの要件を満たしていない
- 専門実践教育訓練や特定一般教育訓練で、必要な受講前手続きをしていない
- 指定期間が終了した後に受講を開始している
- 修了認定に必要な出席率や課題提出などの条件を満たしていない
- 講座の途中で退校・受講中止をしている
- 対象外の入学金、教材費、検定料などを給付対象費用に含めている
指定講座の情報は変更されることがあるため、以前に対象だった講座でも、これから受講する時点で対象とは限りません。申し込み前に、指定期間と受講開始日が合っているかを確認しましょう。
自分に合う対象講座を選ぶときの確認項目
資格取得を目的に選ぶ場合は、給付の有無だけでなく、資格を取得するまでの条件も確認することが大切です。
- 資格試験の受験資格を満たせる講座か
- 講座を修了すれば資格を取得できるのか、別途試験に合格する必要があるのか
- 通学、通信、オンラインのどの形式か
- 受講期間と修了条件は何か
- 給付対象となる費用に何が含まれるか
- 受講開始前にハローワークで行う手続きがあるか
- 資格取得後の就職や実務に必要な登録・実務経験があるか
たとえば、講座を修了しても国家資格に合格したことにはならず、別途試験を受ける必要がある場合があります。「講座修了」と「資格取得」を混同しないように、資格の取得条件も確認してください。
資格取得で教育訓練給付を使うときの結論
教育訓練給付の対象になるのは、資格そのものではなく、厚生労働大臣の指定を受けた講座です。看護師、介護福祉士、保育士、IT、簿記、宅地建物取引士などの講座に対象コースがありますが、同じ資格でも講座によって扱いが異なります。
最初に、希望する講座の正式名称・指定区分・指定期間を教育訓練講座検索システムで確認し、その後、受講開始前にハローワークで自分の支給要件と必要な手続きを確認してください。







